BtoBでもソーシャルメディア(SNS)は有効?活用のポイントを徹底解説!
ビジネスの世界では、BtoB市場での競争がますます激しくなっています。
このような環境下で、企業は新規顧客獲得だけでなく、既存顧客との関係を強化するためにもさまざまなマーケティング戦略が求められています。
その中でも、幅広い層のターゲットが見込めるSNSマーケティングは年々注目度が増す一方です。
主にBtoC市場で活用される傾向にあるSNSマーケティングですが、BtoB市場においてもその効果は見込めるのでしょうか?
今回は、「BtoBのSNSマーケティング」について詳しく解説します。
活用例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目 次
ソーシャルメディア・SNSとは?
そもそも、「ソーシャルメディア」とはどのようなものを指しているのでしょうか。
SNSとの違いがあるのかについてもご説明します。
ソーシャルメディアとは
個人の誰もが情報を発信でき、人と人とのコミュニケーションで社会的なつながりを広げられるように設計された媒体のことです。
ビジネスにおいても重要な戦略となっており、情報発信やコミュニケーションの手段として使われるほか、マーケティング施策やブランディング施策にも有効だと考えられています。
また、顧客満足度の向上、高い費用対効果などさまざまなメリットが得られる点でも注目されています。
主なソーシャルメディアの例
ブログ、SNS(Facebook、Twitter、Instagram)、動画配信サービス(YouTube)などが挙げられます。
ソーシャルメディアは従来のマスメディアとは異なり、不特定多数が個々に情報を発信・受信し、さらなる発信(拡散)につなげることで、情報が多方向に広がっていくのが特徴です。
ソーシャルメディアとSNSとの違い
SNSはソーシャルメディアという広い概念のひとつとして位置づけられており、ソーシャルメディアは必ずしもSNSのようにコミュニケーションを取る必要がない部分が違いと言えます。
しかし現在、SNSはソーシャルメディアの主流となっていることから、ソーシャルメディア=SNSと考える人も少なくありません。
BtoBでもソーシャルメディアは有効?
ソーシャルメディアはBtoBでも積極的に活用すべきマーケティング戦略です。
特にSNSを活用したマーケティングはBtoC企業だけでなく、BtoB企業にとってもさまざまなメリットがあります。
ここからは、多方面に発信しながら幅広いユーザーと効率的にコミュニケーションが取れるSNSのメリットを3つの視点で解説していきます。
新規顧客の獲得
BtoB企業が顧客を獲得するには営業によって認知を高めることはもちろん、まずは顧客側から問い合わせを受ける流れが一般的です。
そのためには、顧客の問い合わせリストに自社が入っている必要があります。
この最初のステップでは、BtoB企業とBtoC企業に大きな差はありません。
ソーシャルメディアを利用して自社の製品やサービスについて発信することで、より幅広い層に認知してもらいやすくなるため、BtoB企業でも有効といえるのです。
顧客の育成
BtoB企業は、BtoC企業と比較すると自社製品と顧客との接点があまり多くありません。
そのため、コミュニケーションを取るのに最適なメディアであるSNSを活用して顧客との接点を増やせば自社への親近感を持ってもらいやすくなります。
SNSで接点を作ることは、自社のファンを増やすきっかけになるわけです。
長期的な付き合いによって「単純接触効果」も生まれるため、成約率の向上も期待できます。
低コストでの運用
SNSマーケティングは、比較的低コストで運用できるというメリットがあります。
ユーザーの意見や業界のトレンドを収集し、市場調査をすることに長けているため、ターゲットの絞り込みに役立つのです。
狙ったユーザーに対するピンポイントでのアプローチは、広告費や人件費の削減にもつながるでしょう。
BtoB向けSNSマーケティングのポイント
ここではBtoB向けSNSマーケティングのポイントについて詳しくご説明します。
ポイントを押さえることで、自社の商品やサービスをどのような人に届けたいかを明確にしつつ、有効な情報を発信していきましょう。
目的を明確にする
「誰に何を届けたいか」を明確にすることで、SNS運営の方向性が決まってきます。
BtoB企業のSNSマーケティングでは、BtoC企業のように「バズる投稿」は必要ありませんが、具体的な業界や職種、規模などを考慮して自社製品に価値を感じてくれそうな層に明確にアプローチする必要があります。
よりニッチな層へアプローチしていくために、どのようなユーザーに興味を持ってもらいたいのかを明確にしましょう。
それぞれの特長を把握して、最適なSNSを選ぶ
情報を発信したり、コミュニケーションを取ったりすることに長けている点では似た要素がありますが、各SNSのプラットフォームには異なる特性があります。
文章での発信が主流であったり、画像や動画での発信が得意であったりと、バリエーションはさまざまです。
また利用者についても、海外のユーザーが多いSNSもあれば若年層や女性に人気のSNSもあり、ユーザー層に違いが見受けられます。
つまり、アクティブユーザー(期間内にアクセス・利用をしているユーザー)の多さだけで選ぶのではなく、ターゲットがよく利用しているSNSはどれなのか事前に把握しておくことも重要です。
データの分析と改善を
BtoB企業が提供している商品は高額な物が多く、購入に至るまでに複数の担当者が関わる場合も多いことから、SNSマーケティングではBtoC企業と比較すると長期的なプランを立てる必要があると言われています。
その際に重要なのは、良質なコンテンツの継続的な発信です。
投稿したらそれで終わりではなく、SNSアカウントのログデータなどを振り返り、詳細に分析することが大切となってくるのです。
ターゲットユーザーの興味を惹くコンテンツを提供するための戦略を立て、常に改善に努めることがSNSマーケティングを成功させるポイントでしょう。
BtoB向けのSNSマーケティングにおすすめのSNS
BtoB向けのSNSマーケティングにおすすめな媒体をいくつかご紹介します。
どれも有名なSNSですので個人的に利用されている方もいるかと思いますが、今一度各SNSの特徴を押さえ、SNSマーケティングの活用も検討してみてください。
月間アクティブユーザー数は全世界で22億3,000万人以上と公表されている、世界最大規模のSNSです。
そのため、グローバルな情報発信においては非常に優れているといえるでしょう。
グループ機能を利用して共通の趣味や目的を持つ人々が集まるコミュニティを形成できることや、実名と顔写真の登録により信頼関係が構築しやすい点で、BtoB企業のSNSマーケティングとの相性が良いといえます。
また、広告を表示させる層をある程度絞るターゲティングの精度がほかのSNSに比べて高いため、ターゲットユーザーにピンポイントでアプローチしやすいという特徴もあります。
X(旧Twitter)
リアルタイムの情報発信が可能で、話題の即時性がほかのSNSと比べて圧倒的に高い点が特徴です。
拡散力が高いため、「バズる投稿」ひとつで爆発的な認知を得られる可能性があります。
また、災害時などの緊急情報をすぐに共有できる点も大きな特徴です。
有料会員にならなければ140字の制限がありますが、その特性を活かした短文の読みやすさがさまざまな層の目に留まるきっかけともなります。
そして匿名性が高いという点は、「利用者の正直な感想」を引き出す要素となり、企業にとっては「自社や自社の商品がどのように見られているか」という情報を収集するのにも最適なSNSでしょう。
20~30代女性に人気のSNSで、写真や動画など、視覚的な情報発信に特化しているのが特徴です。
製品やサービスの魅力を視覚的に伝えるマーケティングツールとして、さまざまな企業が利用しています。
ハッシュタグを使用すると共通の投稿を探すことができるものの、ほかのSNSに比べると拡散力はやや弱まる傾向。
ただし、リール機能を使ったオシャレな短い動画投稿や、ビジュアル特化型であるからこその華やかで統一感のある投稿に向いているため、上手く活用すれば若い世代のファンを効率的に獲得しやすいです。
LINE
日本国内での利用者数は9500万人以上と非常に多く、幅広い年齢層に利用されていることや、ほかのSNSに比べてアクティブユーザーが多いことも特徴です。
そうした特性を生かして、従来のメールマガジンの代わりに利用する企業も少なくありません。
LINEの機能を利用してユーザーを属性毎に分類し、ターゲットを絞ったメッセージを送信するという使い方がビジネスにおいて非常に効果的です。
多くのユーザーの目に留まる発信ができるというメリットは、マーケティングの効率化を図ることにもつながります。
また、ほかの媒体と比べても閉鎖的な環境のため、ユーザーとの距離が近く、リピーターの獲得にも定評があります。
YouTube
動画投稿専門のため、文字のみの投稿より発信の難易度は上がりますが、年代問わず伝わりやすい情報発信が可能です。
退屈しない、面白みのあるコンテンツを提供できれば自社商品やサービスに対してのユーザー理解度が高まるため、購入意欲を促進させられるでしょう。
また、YouTubeチャンネルは企業ブランディングにもつながります。
企業のイメージや価値観を伝えられるため、企業のブランド認知度を高めると同時に、信頼性の構築も期待できます。
近年はshorts動画の流行により、発信する情報に話題性を付与できるようにもなりました。
TikTok
TikTokをおすすめする最大の理由は、ほかのSNSに比べてまだ利用している企業が少ないため、差異化を図るチャンスにできるかもしれない点です。
TikTokの主なユーザーは10代から20代の若年層ですが、TikTokのコンテンツはさまざまなSNSに共有されやすいため、広範囲での拡散も見込めるという特徴があります。
国内外を問わず10億人以上の利用者がいることに加え、短い動画は言語の壁があっても内容が伝わりやすいため、グローバルな発信も可能だといえるでしょう。
こうした特性を十二分に活用することで、新しい顧客層の獲得やブランド認知度の向上、マーケティング戦略の多様化を図ることができます。
SNSマーケティングの注意点
ここまでSNSマーケティングのメリットなどについて説明してきましたが、始める上での注意点は何かあるのでしょうか。
SNSの活用で集客を成功させるポイントは、以下の注意点を押さえておくことが重要となってきます。
ぜひ参考にしてみてください。
投稿頻度をできるだけ多くする
SNSは情報が爆発的に増加するプラットフォームだからこそ、効率的な発信が可能な媒体です。
ただし、数回の投稿のみで満足していては成功に辿り着くことはできません。
他社の投稿によって自社の投稿がすぐに埋もれてしまうため、常に新しいコンテンツを発信する必要があります。
新規顧客の認知を得るためにも、SNSの更新は高い頻度で行うことが望ましいでしょう。
宣伝しすぎない
自社の宣伝ばかりのアカウントに、良質なフォロワーは集まりません。
BtoB企業はBtoC企業のように多くのフォロワーは必要ないといわれることもありますが、フォロワーは企業のコンテンツに興味を持った潜在顧客です。
そのようなユーザーに継続的にアプローチするためにも、宣伝は最小限に抑え、ユーザーにとって有益なコンテンツを発信し続けることが重要になります。
またSNSを利用する以上、一方的な宣伝だけではなく、フォロワーと良好な関係性を築くことが求められます。
各SNSにはミュートやブロック機能も存在しますので、有効活用するためにも発信する内容には気を配りましょう。
炎上に注意する
匿名性の高いSNSでのコミュニケーションは、全体から一部を切り取った情報を発信する場合があり、意図せず炎上を招いてしまうことがあります。
企業は正確な情報発信を心掛け、誤解を招くような表現は避けるよう意識することが大切です。
万が一炎上してしまった場合は迅速かつ適切な対応が必要になるため、関係者は炎上対応ができるよう体勢を整えておく必要があります。
何より一度炎上すると信頼を失う可能性があるため、関係者へのSNS教育を徹底し、投稿の注意事項の周知を図りましょう。
BtoB企業のSNSマーケティング活用事例
ここからは、BtoB企業のSNSマーケティングについて実際の活用事例を3つご紹介します。
Facebook:株式会社 三ヶ島製作所
海外利用者が多いFacebookの特徴を活かし、日本語と英語の二か国語で投稿することでグローバルな情報発信を行っています。
自社製品である自転車ペダルは競輪認定を受けていることを世界に向けて発信することにより、現在では世界トップクラスの品質として世界中のユーザーに認知されています。
実名発信による信頼度も重なり、Facebookの特徴を最大限に活かしたSNSマーケティング戦略といえるでしょう。
X(旧Twitter):株式会社アクティオ
建設機械のレンタルを実施する会社で、レンタルできる機材や自社の情報を画像あるいは動画で紹介する投稿をほぼ毎日更新しています。
写真や絵文字も使われ、親しみやすく読みやすい投稿が印象的。
Xの特徴である140字に収まるわかりやすい文章で、投稿内容も建設に関する仕事をしている人のみならず、建設の知識がない人も興味が持てるような工夫がされています。
Facebook/Instagram:デンソー
ビジネスパーソンが多いFacebookでは最新情報や技術紹介を投稿し、Instagramでは社員の紹介や社内の様子がわかるような投稿をメインにするなど、各SNSの利用ユーザーや特徴を捉えた情報発信をしています。
複数のSNSをターゲット別に使い分け、さまざまな層のユーザーの目に止まるようにすることで、新規顧客獲得のきっかけ作りにつなげています。
まとめ
BtoB企業のソーシャルメディア・SNSマーケティングは、長期的な戦略が必要不可欠です。
ユーザーにとって有益な情報を継続的に発信することは簡単ではありませんが、自社の商品やサービスの飛躍的な認知度向上が期待できるため、マーケティング戦略のひとつとしてぜひ運用をご検討ください。
「すでに運用はしているけれど伸び悩んでいる」という方は、今一度「誰に何を届けたいのか」を明確にして、データ分析と改善を意識的に実行していきましょう。
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