ゼロクリック検索とは?SEOへの影響と企業ができる対策

これまでSEOでは「検索順位を上げてクリックを獲得すること」が重要視されてきました。
しかし近年は、検索上位に表示されてもアクセスにつながらないケースが増えています。
その背景にあるのが「ゼロクリック検索」です。
本記事では、ゼロクリック検索の意味や増えている理由、SEOへの影響、そして企業が取り組みたい対策について解説します。
目 次
ゼロクリック検索とは?
ゼロクリック検索とは、検索結果の画面を見るだけで知りたいことがわかり、どのWebサイトもクリックせずに検索を終えることを指します。
ゼロクリック検索の具体例
スマートフォンで「東京駅から新宿駅までの時間」と検索したとき、画面のトップに所要時間や経路がそのまま表示されることがあります。
これを見れば、わざわざ上位に表示されたサイトを開かなくても必要な情報が手に入るため、ユーザーは満足してスマートフォンを閉じます。
この一連の流れが「ゼロクリック検索」です。
ゼロクリック検索につながる主な機能
ゼロクリック検索が発生する背景には、検索結果画面上でユーザーの疑問を解決できる機能の充実があります。
代表的なものとして、以下のような機能が挙げられます。
- 強調スニペット: 質問に対する回答をWebページから抜粋し、検索結果の上部に表示する機能
- ナレッジパネル: 人物や企業、サービスなどの基本情報を検索結果上に整理して表示する機能
- ローカルパック: 店舗の場所や営業時間、口コミなどを地図とあわせて表示する機能
- AI Overview: 生成AIが検索内容に応じて複数の情報を整理し、検索結果上に概要を表示する機能
これらの機能により、ユーザーはWebサイトを訪問しなくても、検索結果画面だけで必要な情報を得られるケースが増えています。
ゼロクリック検索がSEOに与える影響

ゼロクリック検索が増えることで考えられる大きな影響が、Webサイトへの流入減少です。
従来のSEOでは、検索順位を上げることでクリック数を増やし、サイトへのアクセスや問い合わせにつなげることが重視されてきました。
しかし現在は、検索上位に表示されても検索結果画面でユーザーの疑問が解決した場合、クリックされない可能性が高まります。
特に、下記のように短い回答で解決しやすいキーワードはゼロクリック検索につながりやすい傾向があります。
- ○○とは
- ○○の意味
- ○○の営業時間
- ○○の料金
- ○○までの時間
これからのキーワードは検索順位だけで成果を判断するのではなく、表示回数やクリック数、クリック率なども合わせて確認することが重要といえるでしょう。
さらに、自社名や商品名を直接検索する「指名検索」が増えているかなど、検索結果を通じて企業やブランドを認知してもらえているかという視点も必要です。
ゼロクリック検索が増えている理由

ゼロクリック検索が増えている背景には、主に以下のような要素が考えられます。
AI Overviewの普及
AI Overviewとは、Googleが生成AIを活用して検索内容に応じた回答や要約を検索結果上に表示する機能です。
従来の検索では、ユーザー自身が検索結果から複数のWebサイトを開き、それぞれの情報を比較しながら答えを探す必要がありました。
一方、AI Overviewは検索結果の一番上に、複数の情報をもとに整理された回答が表示されます。
もちろん、その結果を目にした上でWebサイトがクリックされるケースも少なくありません。
しかし、簡単な疑問や概要のみを知りたいという目的においては、AI Overviewだけで情報収集が完結するケースも増えていくと考えられます。
検索結果画面で得られる情報が増えている
AI Overviewだけでなく、Googleの検索結果画面そのものが多機能化していることも、ゼロクリック検索が増えている理由です。
例えば「○○とは」と検索すると、検索結果の上部にWebページから抜粋された回答が表示される「強調スニペット」が表示される場合があります。
また、天気予報や為替レート、人物のプロフィールなども検索結果画面上で直接確認できます。
「近くのカフェ」「名古屋 居酒屋」など地域に関するキーワードも、地図・営業時間・口コミ・電話番号などが表示されるため、店舗のWebサイトや「○○駅周辺のおすすめカフェ」といったまとめサイトにアクセスしなくても比較や検討が可能です。
ユーザーの検索行動が変化している
ゼロクリック検索が広がる背景には、私たちユーザーの目的が「Webサイトを探すこと」から「今すぐ疑問を解決すること」へ変化してきている点も挙げられます。
スマートフォンの普及で「移動中などに手っ取り早く答えだけを知りたい」というニーズが高まった結果、現在ではGoogleだけでなく、SNSや生成AIを使って直接答えを探す行動も当たり前になりました。
「情報にたどり着くまでの手間を1秒でも省きたい」というユーザーの自然な欲求と、それに寄り添って進化した検索エンジンの機能が合致した結果、ゼロクリック検索が広がるのはごく自然な流れだともいえます。
AI検索・ゼロクリック時代に企業ができるSEO対策

「ゼロクリック検索が増えるとSEO対策は意味がなくなるのでは」と感じている方もいるかもしれませんが、SEOの目的は検索順位を上げてクリックを獲得することだけではありません。
検索結果やAI検索上で企業やサービスを認知してもらい、指名検索や問い合わせにつなげることも重要な役割です。
以下では、ゼロクリック時代に企業が取り組みたいSEO対策をいくつか紹介します。
① 独自情報を発信する
まず意識したいのが、他社にはない独自情報を発信する施策です。
一般的な用語の意味や基礎知識だけでは、検索結果や生成AIだけでユーザーの疑問が解決してしまう可能性があります。
具体的には、以下のような要素を記事に盛り込むとよいでしょう。
- 自社で実施したアンケートや調査結果
- 実際の顧客事例や導入後の成果
- 専門家や担当者によるコメント
- 実務を通じて得たノウハウや経験
- 自社独自の比較・検証結果
こうした情報は、ほかのサイトでは得にくい一次情報となり、結果的にAI Overviewなどの検索結果で参照される可能性を高める要素にもなります。
実体験や専門性にもとづいた内容を加えることは、情報を深掘りしたいユーザーの興味を引くのにも効果的です。
② 指名検索を促す導線を作る
ゼロクリック時代では、「クリックされたか」だけでなく、「企業名や商品名を覚えてもらえたか」という視点も重要です。
例えば、検索結果やAI Overviewに自社の情報が表示され、企業名を覚えてもらえれば後から指名検索につながる可能性があります。
特に競合サービスとの比較検討が行われる領域では、検索結果で一度接点を持ったユーザーが、後から企業名やサービス名で検索する流れを作ることが重要になります。
そのため、記事では情報だけを提供するのではなく、誰が発信している情報なのかが分かるようにすることも大切です。
自社の専門分野や実績、サービスとの関連性を自然に伝え、ユーザーの記憶に残る接点を増やしていく工夫をしましょう。
③ SNSなど検索以外の接点も増やす
Web集客をGoogle検索だけに依存しないことも重要です。
現在は、Instagram・X・YouTube・TikTok・メールマガジンなど、ユーザーと接点を持てる媒体が数多くあります。
例えば、SEO記事で詳しい情報を発信し、その内容をSNSや動画でも紹介することで、検索以外の経路から自社を知ってもらう機会を増やすことが可能です。
SNSで企業を知ったユーザーが、後からGoogleで企業名やサービス名を検索するケースもあります。
SEO・SNS・動画などを別々の施策として考えるのではなく、それぞれを組み合わせながら認知から問い合わせまでの導線を整えてみてください。
まとめ
ゼロクリック検索とは、ユーザーが検索結果画面だけで必要な情報を得て、Webサイトをクリックせずに検索を終えることです。
今後のSEOでは検索順位だけを追うのではなく、表示回数・クリック数・クリック率・指名検索など、複数の指標から成果を確認することが重要です。
また、自社だからこそ発信できる独自情報を増やしたり、企業名や商品名を覚えてもらったり、SNSなど検索以外の接点を増やしたりすることも有効といえます。
検索順位は悪くないのにアクセスや問い合わせが増えない場合は、コンテンツそのものだけでなく、検索結果画面やユーザーの検索行動の変化も踏まえて改善策を検討してみましょう。
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